キングス・カレッジ・ロンドンの国際会議にてHumanitextパネルを開催しました

6/29/2026

2026年6月23日から26日にかけて、キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のBush Houseにて国際会議「The Digital Conference 2026 — Digital Humanities Today: Critical Inquiry with and about the Digital」が開催されました。KCLのCentre for Computing in the Humanitiesが学科となって25年の節目を記念し、世界各地から500名を超える参加者が集った、完全対面形式の大規模な会議です。

6月25日には、Humanitextプロジェクトによる90分のパネルセッション「Forging Generative Philology: The Humanitext Project’s Vision for Human-AI Collaboration in Classics」を実施しました。「生成文献学(Generative Philology)」——機械が生成し、研究者が検証し、検証された知が蓄積していく——という新しい研究パラダイムの構想を、3名がそれぞれの角度から論じました。

岩田直也「AI Philology」[動画]

プロジェクトの全体像を紹介しました。出典に基づく検索によってハルシネーションという基本的な問題には実用的に対処できる一方、次の課題は、テキスト間に張り巡らされた、方向性や意味を持ち、ときに見解の対立を含む「参照の網」をどう構造化するかにあると論じました。その課題に取り組む3本柱として、自律型リサーチエージェント、協働知識プラットフォーム、AI-Readyデータ基盤を提示しました。

田中一孝「Toward a Generative Encyclopedia of the Ancient World」[動画]

著作家の活動時期と場所のデータから、古代世界の「生成的百科事典」へと向かう構想を、Humanitext GEOを軸に論じました。

Humanitext GEOのスライドとともに発表する田中一孝

小川潤「Rethinking Reference Indexes for AI-driven Epigraphic Studies」[動画]

碑文研究を事例に、AI駆動の研究における参照インデックスの再設計を論じました。

タイトルスライドを背に発表する小川潤

3本の講演のあとには、批判的デジタル人文学を主題とする本会議の聴衆とのオープンディスカッションの時間が設けられ、人文学とAIの協働をめぐって意見を交わしました。3本の講演はいずれもYouTubeで公開しています。