情報・システム研究機構の経営協議会・教育研究評議会にて研究発表を行いました

6/18/2026

講演資料「AIは何を信頼すべきか――西洋古典学から考える出典と権威」の表紙

2026年6月17日・18日、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構(ROIS)の経営協議会および教育研究評議会にて、岩田直也(名古屋大学/国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 クロスアポイントメント)が「AIは何を信頼すべきか――西洋古典学から考える出典と権威」と題した研究発表を行いました。

生成AIは流暢でもっともらしい文章をつくることに長けている一方、そのまま用いるだけでは、出力の根拠を確実に示すことができず、事実らしく見える誤った情報——ハルシネーション——を生み出すことがあります。医療、法律、学術研究など、情報の出所が結論の質を左右するあらゆる領域にとって、これは基盤的な課題です。発表では、この課題はモデルの性能向上を待つだけでは解決せず、鍵は「AIに何を、どのような形で渡すか」というコンテクストの設計にあることを、2400年にわたって出典と権威の問題に向き合ってきた西洋古典学の視点から論じました。そのうえで、Humanitextプロジェクトにおける検索拡張生成(RAG)と出典明示の実装を紹介しました。

情報・システム研究機構は、国立情報学研究所(NII)をはじめとする大学共同利用機関を擁する法人です。NIIコンテンツ科学研究系にクロスアポイントメントとして参画する岩田にとって、機構の経営協議会・教育研究評議会の委員の皆様に研究の現在地を報告する貴重な機会となりました。