DiHuCoハブシンポジウム2026にて「デジタル化からAI-Ready化へ」と題した講演を行いました

8/10/2026

一橋講堂で講演する岩田直也。スクリーンに「デジタル化からAI-Ready化へ」のタイトルスライド

2026年8月7日、一橋講堂(東京・一ツ橋)にてDiHuCoハブシンポジウム2026「Agentic DHに向けて〜人文学×AIの多様化とAI協働型研究の広がり」が開催され、JST BOOST(次世代AI人材育成プログラム)採択者によるセッションにて、岩田直也が「デジタル化からAI-Ready化へ——西洋古典テクスト基盤Humanitextの設計と持続可能性」と題した講演を行いました。

講演ではまず、テクストの「デジタル化」と「AI-Ready化」の違いを整理しました。翻刻とTEI/XMLによる構造化は「読む・検索する・数える」を支えてきましたが、AI-Ready化はその次の段階——AIが最小の文脈で答えに至り、しかも答えが参照箇所のIDつきで返ってきて人間が原典に立ち返って検証できる形——にデータを整えることを指します。そのうえで、TEI基盤層・テキスト参照層・知識グラフ推論層からなるHumanitextの三層アーキテクチャと、Antiqua・Reader・OCRの各システムの現在地を報告しました。

あわせて、運用の実態も率直に共有しました。AntiquaとAozoraへの質問は2026年8月時点で累計14万件を超え、1クエリあたりの費用は2〜3円。研究プロジェクトが公開サービスを持続的に運用することの費用構造と課題を、具体的な数字とともに示しています。「3人の共同研究チーム+AIエージェント」という少人数体制でここまで作れる時代になった一方で、それを維持し続けるために何が必要か——Agentic DHというシンポジウムの主題に、開発の現場から応答する内容となりました。