民法史研究会にて報告「Digital Digesta:AIで紐解く法の源流」

3/16/2026

デジタル技術で紐解かれる古典文献

2026年3月14日、オンラインで開催された「民法史研究会」において、Humanitextプロジェクトのメンバーである岩田直也(名古屋大学准教授)が、コレボレーターの川本悠紀子(名古屋大学准教授)と「Digital Digesta:AIで紐解く法の源流」と題した報告を行いました。

本報告では、西洋古典文献研究プラットフォーム「Humanitext Antiqua」の紹介とともに、その技術を法史学研究、特に「学説彙纂(Digesta)」の解析に応用する画期的な試みが紹介されました。

「意味」で探す、法の歴史

これまでの法史学研究では、特定の用語の正確な表現を知らなければ文献を探し出すことが困難でした。しかし、Humanitextが提供する「意味検索」とAI技術を組み合わせることで、概念や問いかけのレベルから、膨大な古典テキストの該当箇所にアクセスすることが可能になります。

報告の中では、以下の3つの柱を中心にデモンストレーションが行われました。

  • Humanitext Antiquaの活用: ローマ法を含む西洋古典テキストの検索・解析基盤。
  • 学説彙纂(Digesta)のデジタル化: 法の源流であるテキストをAIが処理可能な形で構造化。
  • 民法典とのクロスリファレンス: ローマ法が近代日本民法にいかに継受されたかを体系的に追跡するビジョン。

伝統とテクノロジーの融合

報告の後半では、名古屋大学が公開している「名古屋大学法令データベース」との連携についても触れられました。「テキストに書かれていない言葉で、テキストを見つける」という課題に対し、AIがいかに研究者の直感を補助し、新たな知見をもたらし得るかについて、参加した法史学者らと熱心な議論が交わされました。

Humanitextプロジェクトは、古典文献という人類の知的遺産を現代の技術で蘇らせ、法学や人文学に新たな地平を切り拓くことを目指しています。


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